一戸建て売却の査定がくるのですが、その時の注意を教えてください。時間は30分程度で終わるとの事ですが、どのあたりを見られるのでしょうか?
このような質問がありました。
まず先にお伝えすべきことは、不動産売却において、訪問査定というのは非常に重要です。
なぜかと言いますと、売却したい不動産そのものを見ることが大事なのは言うまでも無く、担当する方の人柄も見えるからです。
その人に任せて良いのかどうか、そのような判断基準も見えてくるようになります。
話を戻しまして、世の中に流通している小売商品には「定価」がありますが、土地や中古住宅には定価がありません。
毎年、国からは公示地価や路線価、都道府県からは基準地価が発表されるものの、実際にそれぞれの不動産の「売れる価格」ではありません。
売却不動産を「商品」と捉えることができますが、立地や建物の状態など、全ての条件が同じ不動産は存在しないため、不動産の価格は不動産業者が出す査定を参考にひとつずつ算出されるのです。
査定には机上査定と訪問査定がありますが、今回は訪問査定とはいかなるものなのかという事に焦点を当ててお伝えしたいと思います。
訪問査定というのは、不動産会社の担当者が査定依頼の不動産を目視して、土地であれば接道状況や日当たり、土地の形、一戸建であれば外壁や屋根の状態を、内装に関しては実際に目視を行い、また、過去の修繕履歴などもヒアリングをしながら、不動産の価格を出していきます。
では、実際の訪問査定時においてはどのような事がチェックされるのかを見ていきましょう。
訪問査定の時にはハウスクリーニングなどを行って特別奇麗にしておく必要はありませんが、必要のない明らかにゴミと思われる物が散乱していると、それらの処分費用ということで減額要因となることもありますから、訪問査定の時にはお家の中は一通り片付けて小綺麗にしておいた方が良いですね。
築年数や、木造・軽量鉄骨造といった構造、間取りが重要視されることは言うまでもありませんし、日当たりや風通し、眺望の良さといった事もポイントとなってきます。
日当たりや風通しが悪いと建物の中が湿気を帯びてカビっぽくなったりするので、非常に大事なポイントです。
そして、実際にお住まいになっている方にしか分からない、異臭や騒音・振動があるか、屋根や塀の越境の有無、過去の修繕履歴などがヒアリングの対象になります。
そのほかに見られるポイントとしては、住宅の周辺環境や利便性が挙げられます。
駅やバス停までは何分か?
スーパーやコンビニ、商業施設が近くにあるか?
学校や公園、病院などは近くにあるか?
が挙げられます。
過去の成約事例や現在の販売事例をだけを基にした机上査定とは違い、このように細かいところをチェックされて算出された訪問査定価格は、実際の取引価格に近いものになるので、不動産の売却を急いでいる方は、机上査定を行った上で訪問査定を受けるといった段階を経ずに、最初から訪問査定を受けられることをお勧めします。
宮城県で昭和60年創業
宮城県知事(2)6160号
株式会社日興管財
宅地建物取引士
熊谷 求