不動産の売却依頼の仕方|宮城県仙台市若林区、宮城県宮城郡利府町、宮城県石巻市、宮城県東松島市の不動産売却

Q.相続した空き家を売却しようと思い、3社に査定依頼。A社は電話依頼をしたらその場で返答していただき、物件は見てもらっていません。一人で切り盛りされている地元の不動産です。B社はホームページにあった無料査定の応募サイトから応募して、現地に近い事もあり、物件も見ていただきました。ご夫婦で立ち上げて間もない会社です。C社は他県に本社があり、無料査定サイトから応募して、物件も見ていただきました。かなり悩み、とりあえずB社に専任媒介でお願いしようという事になりましたが、早く売ってしまいたいので年内で売れないようであればA社、C社とも契約して一般媒介での売却を考えています。こういうやり方は大丈夫なのでしょうか?また、最初に媒介契約しなかった2社にはどういう対応をすればいいのでしょうか?査定はしてもらいましたが特に連絡はありません。こういうものなのでしょうか?

A.不動産の売却を考えた場合、査定依頼をするのが一般的ですが、査定をすると言っても、いくつかの方法があります。

①チラシを見て査定依頼をする。
②不動産会社に飛び込みで査定依頼をする。
③ネット上の査定サイトから査定を依頼する。

不動産会社(厳密には担当者の判断で)から提示された査定内容を吟味し、実際に売り出す際には、不動産会社と媒介契約を締結することになります。

媒介契約には3種類の形態があり、その違いは以下の通りです。

①一般媒介契約
・複数の不動産会社に売却依頼をすることができる。
・契約期間に縛りは無い。
・不動産会社から売却依頼者への販売状況などの報告義務が無い。
・業者間専用サイトへの登録義務が無い

②専任媒介契約
・1社の不動産会社にしか売却依頼をすることができない。
・契約期間は3ケ月(更新可能)。
・少なくても14日に1回、不動産会社から売却依頼者へ販売状況などの報告義務がある。
・媒介契約締結後、7日以内に業者間専用サイトへの登録義務が必要。

③専属専任媒介契約
・1社の不動産会社にしか売却依頼をすることができない。
・契約期間は3ケ月(更新可能)。
・少なくても7日に1回、不動産会社から売却依頼者へ販売状況などの報告義務がある。
・媒介契約締結後、5日以内に業者間専用サイトへの登録義務が必要。

細かいことはもっとあるのですが、大まかには以上がそれぞれの特徴です。

実際に売却依頼者が悩むのは、一般媒介と専任媒介・専属専任媒介ではどちらが良いのか?という事です。

この質問を投げかけてくる方は非常に多いです。

複数の不動産会社に売却依頼をできるということで、一般媒介が良いと捉える方は多いですし、 1つの不動産会社にしか売却依頼を頼むことができない専任媒体は不利だと考える方も多いようです。

本当に大事なことは、複数の会社に頼める、1つの会社にしか頼めないと言った目に見えるようなことではなくて、不動産会社が義務の有無に関わらず、定期的に売却依頼者に必要な報告をするかどうかということでしょう。

もっと言ってしまうと、不動産会社(厳密には担当者)と売却依頼者間で信頼関係が作れているかということだと思います。

信頼関係は簡単に作れるものではないですが、いろんな不動産会社の担当者と話をして、自分の肌に合う人に任せるということではないでしょうか。

しっかりと信頼関係が作れていれば、義務の有無に関わらず、マメに現状報告や定期的な情報提供がなされるはずです。

今回のようなご質問の場合ですと、

まずは1社に専任媒介 → 進捗状況を見て一般媒介に切り替え

戦略的な依頼の仕方であると思いますし、効果的ではないかなと考えます。

最初の段階で選ばれなかった2社に対しては、他の不動産会社に売却を専任でお願いしたという一言があれば、売却依頼者の方のお人柄として、丁寧な方だなという印象は残りますね。

「惰性で行わず、戦略的に進めていく。」

不動産売却に限らず何にでも言える大事な考え方ですね。

私も見習わなくてはなりません。

株式会社日興管財
宅地建物取引士
熊谷 求