相続を機に不動産(土地、一戸建)売却。前面道路が私道である場合の不動産売却に与える影響|宮城県仙台市、利府町、石巻市、東松島市の不動産売却

「しどう」と読んだり「わたくしどう」と読んだりしています。

市道と区別しやすいように「わたくしどう」と読んだ方が分かりやすいかもしれませんね。私道には、位置指定道路(1項5号道路)・狭あい道路(2項道路)・水平道路(3項道路)といったものがありますが、道路ではあっても私有地であるというのが特徴的です。

建物を建てる場合、一般的には接している道路の地中にあるガス管や水道管、下水道管からその土地にそれらの管を引き込みますが、引き込むにあたっては道路の掘削工事が必要になります。しかし、勝手にそのような工事をする事はできませんから、事前に地権者から掘削工事をするための承諾を得ておかなければなりません。

その私道の地権者が単独であれば話はスムーズにいくことが多いかもしれませんが、地権者が複数人(共有名義と言ったりします)となると承諾を得るための時間がかかります。親から相続して、そのような土地に権利を持っている事すら知らない方が地権者であることもあります。

たまにある事ですが、「漏水が見つかり、その原因が外の水道管だった!」このような場合、接している私道の掘削工事が必要となります。普段からご近所さんや地権者の方々と仲良くお付き合いできていれば良いのですが、ちょっと険悪だったりするとスムーズに承諾を得られない事も考えられます。

ちなみに、前面道路が私道である場合、不動産売却に与える影響をいくつか書き出してみました。

▼アクセスの制限
私道である場合、一般の公道へのアクセスが制限される可能性があります。これは、潜在的な購入者にとって重要な要素であり、アクセスの制限があると物件の魅力が低下する可能性があります。例えば、私道が狭く舗装されていない場合、車両の通行が難しくなることがあります。

▼維持費の負担
私道は一般的に地権者や住民の共有財産として管理されます。そのため、私道の維持費用が発生する場合があります。これは、定期的な舗装や補修、除雪などの作業に関わる費用を指します。不動産売却時には、私道の維持費用について購入者との交渉が必要になる場合があります。

▼権利関係の明確化
私道を利用するための権利関係が明確化されているかどうかも重要な要素です。私道の利用権や共有のルールが適切に文書化されていない場合、将来的なトラブルの原因となる可能性があります。不動産売却時には、私道に関する権利関係を明確化し、購入者に対して説明する必要があります。

▼市場価値への影響
私道の存在は、不動産の市場価値に影響を与える場合があります。一部の購入者は、私道の存在や関連する制約に対して心配を抱くことがあります。その結果、私道のある物件は、同様の条件の物件と比較して魅力が低下し、市場価値が低くなる可能性があります。

これらの要素は、地域や市場の状況によって異なる場合があります。不動産売却時には、不動産会社の担当者に相談し、具体的な状況に応じた適切な対応を検討することをお勧めします。

普段から強く意識していくことではないかもしれませんが、ひとたび事が起きれば普段のお付き合いの重要性を感じる場面となるので、あえてノートにしてみました。

気を付けていこう。
私自身、改めて思い直しました。

 

宮城県で昭和60年創業
宮城県知事(2)6160号
株式会社日興管財
宅地建物取引士
熊谷 求