前面道路が他人名義の場合のデメリット|宮城県仙台市若林区、宮城県宮城郡利府町、宮城県石巻市、宮城県東松島市の不動産売却

Q.
自宅の売却を考えているのですが、前面道路が人の持っている道だと不動産会社の方が最近教えてくれました。 この道に面している我が家に何かデメッリとはあるのでしょうか?不動産会社の見積が近くの家よりかなり低いのですがなぜでしょうか?

A.
前面道路が他人名義である場合、さまざまなデメリットが存在します。まず、手続きが非常に煩雑であることが挙げられます。新たな所有者に変更する際や管理に関する手続きが複雑で時間がかかることがあります。さらに、他人名義の道路がある地域では土地価値が下がる可能性があります。道路修繕や管理にお金がかかるため、周辺の土地や建物の価値が低下することが懸念されます。また、個人情報漏洩のリスクも高まる可能性があります。他人名義の道路に関するリスクを考慮する際には、これらの点をしっかりと把握しておく必要があります。

●非常に手続きが煩雑になる
他人名義の道路が不動産売却の障害となる1つの要因は、非常に手続きが煩雑になることです。
通常、不動産を売却する際には、所有者が正確に登記されていることが求められます。しかし、他人名義の道路が絡んでいる場合、道路を使用する権利が他人にあることで所有者の名義が一致しない場合があります。
このような場合、当然ながら売却手続きは複雑化し、さまざまな権利関係の確認や合意が必要となります。地元の行政機関や関係者との調整も必要となり、時間や労力がかかる可能性があります。
さらに、他人名義の道路が売却価格に影響を与えることも考えられます。購入希望者が所有者の不明瞭な不動産には購入意欲が薄れる可能性があり、その結果、売却価格が下がることも考えられます。
そのため、他人名義の道路がある不動産を売却する際には、専門家や弁護士のアドバイスを受けることが重要です。売却手続きや価格交渉をスムーズに進めるためにも、的確なアドバイスを受けることでトラブルを未然に防ぐことができます。

●土地価値が下がる可能性がある
他人名義の道路は、一般的に土地の価値を下げる要因となります。例えば、他人名義の道路が土地に隣接している場合、その土地は隣接する他人の所有権に左右されることになります。つまり、隣の所有者がうまく管理していない場合、道路の状態が悪くなり、それによって土地の魅力や利便性が損なわれる可能性があります。
さらに、他人名義の道路は将来的な再開発や都市計画の変更などにも影響を及ぼすことがあります。道路の所有者が土地を売却する際には、その条件に関わる部分も考慮しなければなりません。他人名義の道路が経営されている場合、土地の将来性や評価が低下する恐れがあるため、注意が必要です。
したがって、不動産を売却する際には、他人名義の道路の状況や影響をきちんと把握し、それを踏まえた上で査定や条件交渉を行うことが重要です。

●道路修繕や管理にお金がかかる
他人名義の道路には、道路修繕や管理にお金がかかるというデメリットがあります。
例えば、道路に穴が開いたり、舗装が崩れたりした場合、その修復費用は道路を所有している人たちで分担する必要があります。
特に長い道路や複数の所有者がいる場合、合意を取り付けるのも難しく、修繕費用の負担が増える可能性があります。また、道路の定期的な清掃や除雪、樹木の剪定なども管理の一環として必要です。
これらの作業は専門知識や装備が必要な場合があり、そのために費用がかかることも考えられます。
他人名義の道路を所有する場合、これらの道路修繕や管理に関わる費用は所有者たちで負担することになるため、予想外の出費に対応する必要があります。
道路の状態を定期的に点検し、修繕や管理に必要な費用を計画的に確保しておくことが重要です。

●建物の価値が下がる恐れがある
他人名義の道路によるデメリットの一つは、建物の価値が下がる恐れがあるという点です。
一般的に、不動産の価値は土地の価値と建物の価値の合計で算出されます。道路や通りが他人名義である場合、土地の一部が他人の所有物ということになります。これにより、将来建物を売却する際に不動産の所有状況が複雑になり、購入希望者から信頼を得るのが難しくなる可能性があります。
また、建物が他人名義の道路に面している場合、景観やプライバシーに関する問題が生じることも考えられます。周囲が公共の道路であれば、建物との距離や樹木の配置などを自由に調整することができますが、他人名義の道路に面しているとその自由度が制限される可能性があります。
さらに、法的なトラブルも発生するリスクがあります。他人名義の道路は所有者がいるため、道路の利用に関する細かなルールや問題が発生する可能性があります。特に共用道路の場合は、所有者間でのトラブルが発生することも考えられます。
以上のように、他人名義の道路によるデメリットは建物の価値低下だけでなく、様々な問題を引き起こす可能性があるため、不動産の売却や購入を検討する際には注意が必要です。

●個人情報漏洩のリスクが高まる
他人名義の道路による不動産売却は便利な一方、個人情報漏洩のリスクが高まります。
不動産を売却する際には、売主名や住所が公開されることが一般的です。しかし、他人名義の道路で売却を行う場合、その所有者の個人情報が第三者に漏洩する可能性があります。
特に、インターネットを通じて不動産情報が広まる現代では、個人情報が簡単に拡散されてしまうリスクが高まっています。
個人情報の漏洩は、不正アクセスや詐欺被害などのリスクを招く可能性があります。したがって、他人名義の道路での不動産売却を検討する際には、個人情報管理に注意することが重要です。
売主や不動産会社は、個人情報の取り扱いに細心の注意を払い、第三者への情報漏洩を防止するための対策を講じる必要があります。
さらに、プライバシーポリシーの明確化や情報セキュリティの強化など、個人情報保護に関する法令を厳守することが求められます。
個人情報の漏洩を防ぐためには、不動産売却の手続きにおいて慎重に行動し、専門家の助言を仰ぐことが必要です。

考えうる限りのリスクを回避しながら、あなたの不動産取引がスムーズに進められるように祈っています。

宮城県で昭和60年創業
株式会社日興管財
宅地建物取引士
熊谷 求