相続を機に不動産(一戸建)売却。売る時の諸費用って売った時の金額から差し引きできる?|仙台市、利府町の不動産売却

Q.父が住んでいた利府町の一戸建てを相続することになりそうですが、売る時にはそれなりに諸費用がかかるようです。出来るだけ手出しはしたくないので、売った金額から差し引きしたいんですが、できるのでしょうか?

A.お気持ちは分かりますが、相続登記や住所変更登記、既存建物解体など、各工程が終わる毎に請求がなされますから、各諸費用を売った金額から差し引くのは難しいかもしれませんね。売買が終わってお金が入ってくるまで待ってくれる業者さんであれば、売った金額から支払っていく事はできますが、差し引くって言う事とはちょっと意味が違いますよね。

とは言っても一戸建ての売却を考えている方にとって、売却には経済的なメリットがあるものの、売却に伴って様々な諸費用が発生するのも事実です。これらの諸費用は、売却の過程において非常に重要な工程であり、事前に理解しておいた方が良いです。特に、売却を進める際に予想外の出費が発生すると、金銭的にも精神的にも大きな負担となることがあります。
今回は一戸建の売却にかかる諸費用について詳しく解説し、それぞれの費用がいつ発生するのか、どのように準備すればよいのかを考えていきます。これから一戸建ての売却を検討されている方にとって、役立つ情報となれば幸いです。

■一戸建の売却における諸費用とは?

一戸建の売却における諸費用には、主に以下のようなものがあります。

まず最初に挙げられるのが仲介手数料です。これは不動産仲介業者に支払うもので、一般的には【売却価格の3%+6万円+消費税】という計算式が知られています。ただしこれは、宅地建物取引業法で規定されている上限額であって、また、売却価格によっても掛ける率は異なってきます。仲介手数料は、売却が完了した時点で支払うことになりますが、事前にしっかりと確認しておきましょう。

次に、登記費用も考慮する必要があります。一戸建を売却する際には、所有権移転登記を行います。所有権移転登記費用は買い手側が負担することにはなるものの、登記簿上の住所と売り手側が住んでいる住所が異なる時は住所変更登記が必要になります。登記費用は、売却が完了した際に発生し、その金額は物件の評価額によって変動します。

「測量費用」も忘れてはいけません。一戸建てを売却する際、境界線を明確にするための測量が必要な場合があります。測量士に依頼することで正確な境界を把握でき、その費用が発生します。

加えて、売却による「引越し費用」も考慮すべきです。一戸建てを売却した後、新たな住まいに引っ越す際に発生する費用です。搬送業者への支払いや新居の準備にかかる費用など、予算に含めておくと良いでしょう。

また、住宅ローンの残債が残っている場合、繰上げ返済手数料がかかることも忘れてはいけません。住宅ローンを完済するために行う繰上げ返済には、金融機関ごとに手数料が設定されていることが多く、事前に金融機関に確認しておくことが重要です。

さらに、売却前に行うリフォーム費用も諸費用の一つです。売却価格を向上させるために、内装や外装の手直しを行うことが多いですが、その分の費用が必要になります。リフォームを検討する際には、予算をしっかりと策定し、費用対効果を考えることが大切です。

売却活動中には、広告費用やホームステージング費用も発生することがあります。特に、不動産仲介業者に依頼する場合、広告を出すための費用が発生することがあります。しかし、これらは多くの場合、仲介手数料に含まれることが一般的です。また、売却を促進するために室内を魅力的に見せるためのホームステージングを行う場合も、別途費用がかかります。

最後に、譲渡所得税にも注意が必要です。物件を売却して得られた利益に対して課税されるため、事前に算出しておくことが望ましいです。譲渡所得税は、所有期間などにより、税率が異なるため、税務署または専門家に相談することをお勧めします。

以上の諸費用は、一戸建てを売却する際に発生する可能性があります。しっかりシミュレーションを行い、準備を整えることが成功のカギとなります。売却計画を立てる際には、これらの費用を考慮に入れ、ゆとりある資金計画を立てることをお勧めします。

■諸費用を支払うタイミングとは?

不動産売却には多くのステップがあり、それぞれの段階で諸費用が発生します。まず最初に発生するのが、仲介手数料です。これは不動産業者に支払うもので、売却価格に基づいて計算されます。一般的には、売却が成立した際に支払うことが多いですが、業者によっては契約時に前払いを求める場合もあるため、事前に確認しておくことが大切です。

売却が決まった後には、登記費用が必要となります。これは、所有権移転登記にかかる費用で、先ほどもお伝えしましたように、所有権移転登記費用は買い手側が負担することにはなるものの、登記簿上の住所と売り手側が住んでいる住所が異なる時は住所変更登記が必要になります。売却後に一括で支払う場合が一般的です。

次に、解体費用や修繕費用が挙げられます。これらは、売却前に物件を整えるために支出するもので、物件の状態によって異なります。これらの費用は、売却が完了する前に発生しますので、予算として考慮し、計画的に支出を行うことをお勧めします。

さらに、売却時にかかる税金も忘れてはいけません。不動産売却に関連する税金には、譲渡所得税や住民税があります。これらは売却が完了した後、申告を行った後に支払いが求められますので、売却後すぐに手続きが必要です。

その他にも、水道光熱費の精算や、固定資産税の按分など、売却時に生じる費用はさまざまです。これらは売却が決まった後、引き渡し日に向けて精算を行う必要があります。

また、売却の際には、予想外の費用が発生することもありますので、余裕を持った資金計画を立てておくと良いでしょう。特に、売却までの期間が長くなる場合、どのタイミングでどのような支出があるかをしっかり把握することが必要です。

結論として、不動産売却に伴う諸費用の支払時期は、さまざまな要因によって異なりますが、しっかりと計画を立て、必要な時期に迅速に対処できるよう準備しておくことが成功の鍵となります。金銭面の不安を軽減し、安心して売却に臨むためにも、初めから詳細な見通しを立てておくよう心掛けましょう。

■予想外の出費を防ぐためのポイント

瑕疵担保責任を考慮することも重要です。売却後に修理や補修が必要となった場合、最初に法的に責任を負うとされるのは売主です。売却前に家の状態をしっかりとチェックし、可能な限り修理を行っておくことで、後々のトラブルを防ぐことができます。

それでは、予想外の出費を防ぐためのポイントについて、具体的に見ていきましょう。

1つ目は、事前の査定と市場調査です。自分の不動産が市場でどの程度の価値があるのかを把握しておくことは非常に重要です。適正な価格設定を行うことで、売却後の費用負担を軽減できます。また、周辺地域の相場や需要も考慮に入れることで、過度な期待を持つことなく冷静に売却を進められます。

2つ目は、諸費用を事前にリストアップしておくことです。大まかなリストを作成し、必要経費を計算しておくことで、突発的な支出を避けられます。仲介手数料や税金、登記費用などを把握しておくことが大切です。

3つ目は、信頼できる不動産業者を選ぶことです。不動産の専門知識を有する業者を選ぶことで、必要な手続きや費用についてしっかりと説明してもらえます。入念な説明を受けた上で契約を進めることで、後々のトラブルを回避することが可能です。

4つ目が、事前に不動産の状態を確認することです。特に古い住宅の場合、意図せず修理が必要になることが多々あります。専門家に状態を見てもらうことで、リフォームが必要な箇所を把握し、売却前に対処することができます。

最後に、売却後の資金の使い道についても考慮しておくことが重要です。売却による資金をどのように活用するのか計画を立てておくことで、予想外の出費に備えることができます。特に次の住まいや生活費などを想定しておくと良いでしょう。

以上のポイントを押さえておくことで、一戸建ての売却に伴う予想外の出費を効果的に防ぐことができます。事前の準備をしっかり行い、スムーズな取引を目指しましょう。

■スムーズな売却のために準備しておくべきこと

一戸建てを売却する際には、売却活動をスムーズに進めるために、いくつかの準備が必要です。特に、以下のポイントを押さえておくことで、余計なトラブルを避け、円滑な売却を実現できます。

まず、物件の現状を把握しておくことが重要です。

具体的には、家の状態や築年数、周辺環境などを整理しておくことで、購入希望者に対するアピールポイントを把握できます。特に、リフォームや設備の更新の有無については、正確に伝える必要があります。

次に、必要な書類を準備することが大切です。

不動産売却に際して必要となる書類には、登記簿謄本、固定資産税納税通知書、土地・建物の評価証明書などがあります。これらの書類を事前に用意しておくことで、スムーズに手続きを進めることができます。

また、周辺の不動産市場をリサーチすることも不可欠です。近隣の物件がどのくらいの価格で売却されているのか、どのような条件で取引が進んでいるのかを把握することで、自分の物件の適正価格が見えてきます。

そして、信頼できる不動産業者を選ぶことも重要なポイントです。仲介を依頼する際には、不動産会社の実績や信頼性をしっかりと確認しましょう。また、複数の業者に査定を依頼して比較することで、適切な費用対効果を見極めることができます。

売却活動を行う前には、物件の清掃や整理を行い、内覧時に良い印象を与えることも忘れずに行ってください。特に、明るく清潔な状態で内覧することで、購入希望者の心を掴むことができます。

さらに、売却に伴う諸費用の準備も必要です。仲介手数料や譲渡所得税、各種書類の取得費用など、売却に伴うさまざまな費用が発生しますので、事前に予算を立てておくことが望ましいでしょう。

最後に、売却時期を考慮することも大切です。市場の動向に応じて、最も売却しやすいタイミングを見極めることが、スムーズな取引につながります。

以上のように、スムーズな一戸建て売却のためには、しっかりとした準備が必要です。計画的に進めることで、期待する価格での売却が可能になりますので、ぜひ参考にしてみてください。

今日のコラムはいかがでしたか?
手出しなく全てを終わらせたい気持ちはわかりますが、最低限の諸費用と考えて粛々と進めていきましょう。
仙台市や利府町で同じようなご心配をお持ちのおなたのご参考になれば何よりです。

宮城県で昭和60年創業
株式会社日興管財
宅地建物取引士
熊谷 求