これまで、数回にわたって媒介契約に関する内容をお伝えしてきました。
最後に媒介契約に関してよくある質問をまとめてみましたのでご覧ください。
▼媒介契約とは何ですか?
媒介契約とは、不動産売却をする際に不動産業者と契約を結ぶことを指します。不動産業者が売却の代理を受け、販売活動を行う際に必要な契約です。
▼媒介契約の種類は何がありますか?
媒介契約には専属専任契約、専任媒介契約、一般媒介契約の3種類があります。
・専属専任契約では、1つの不動産業者に売却の代理を全面的に委任する契約です。他の業者との契約ができないため、その業者に全力を注ぐことができます。
・専任媒介契約は、複数の業者に代理を頼む契約ですが、最終的な売却を行った業者には手数料が支払われます。複数の業者が契約を結ぶことで販売活動が広がり、売却が早く進む可能性が高まります。
・一般媒介契約は、複数の業者に代理を頼む契約で、最終的な売却を行った業者に手数料が支払われます。専任媒介契約よりも柔軟な取引が可能となります。
媒介契約の種類によって売却活動の進め方や手数料などが異なるため、自分の販売スタイルやニーズに合った契約を選ぶことが重要です。不動産業者とよく相談し、自分にとって最適な契約を選ぶことが大切です。
▼媒介契約を解除する際の注意点は?
媒介契約を解除する際の注意点は、まず契約書に記載されている解約条件をよく確認することが重要です。多くの場合、解約の手続きや期限、解約料などが明記されています。解約条件に従って手続きを行うことでトラブルを避けることができます。
また、契約解除の意志を相手方に適切に通知することもポイントです。書面での通知が望ましい場合が多いので、郵送やメールなどで確実に相手に伝えるようにしましょう。
さらに、解約を検討する際には専門家に相談することもおすすめです。不動産の専門家や弁護士などに相談することで、適切な解約方法やリスクなどについてアドバイスを受けることができます。
そして、契約解除後の物件の引き渡しや引き継ぎなどの手続きも確認しておくことが大切です。スムーズな契約解除を行うためには、このような手続きもしっかりと把握しておくことが必要です。
最後に、契約解除後にかかる費用や損害賠償などについてもしっかりと確認しておくことが大切です。契約解除に伴う費用や損害賠償が発生する場合があるので、これらの点も事前に把握しておくことが重要です。
▼媒介契約の手続きにかかる費用はどれくらいですか?
媒介契約を締結すること自体には費用はかかりません。
しかしながら、媒介契約をした物件が成約に至った場合には媒介契約書に記載の媒介報酬額(仲介手数料)が発生します。仲介手数料は不動産会社に支払う手数料で、通常は宅地建物取引業法に基づいた割合です。
さらに、不動産会社によっては広告宣伝費用を請求することもありますので、媒介契約時には忘れずにに確認してください。
▼媒介契約の有効期限が切れた場合、どうすればいいですか?
媒介契約の有効期限が切れた際には、以下の3つの選択肢があります。
①現在の不動産会社と再契約を結ぶことです。もし満足のいくサービスを提供してもらっている場合や、信頼できる不動産会社であると感じている場合は、再契約をすることで引き続きその会社と取引を続けることができます。
②他の不動産会社との契約を考えることです。現在の不動産会社との相性が合わない、または売却活動に不満がある場合は、新たな不動産会社と契約を結んでみるのも一つの手です。
③不動産売却を自分で行うことです。もし自らの力で不動産を売却する自信がある場合や、手数料を節約したいと考える場合は、自分で不動産の買い手を見つけることも可能です。
どの選択肢を選ぶにせよ、媒介契約の有効期限が切れた際には十分な準備をしておくことが重要です。しっかりと検討し、自分に合った方法を選択することで、スムーズな不動産売却が実現できるでしょう。
宮城県で昭和60年創業
株式会社日興管財
宅地建物取引士
熊谷 求